『 東高二十年の思い出から 』 その1 「今は昔」 から 「仮装行列」 へ (後編) ( 創立三十周年記念誌 「 あこがれやまぬ こころいだいて 」 から転掲 )
やがてこの企画の仮装がだんだん大がかりなものとなり、従者としてつく生徒数など参加希望を抑えるのがむずかしくなり、それならはっきりHR全員参加の「仮装行列」にしようということになったのが、8年目(第6回東陵祭)からであった。こうして「仮装行列」は、その後、年々ハリボテが大きくなり、仕掛けにも工夫がなされ、毎年の秋の東陵祭には欠かすことの出来ないメイン・イヴェントとなっていったのだが、同時に、担任の先生の出場義務はなくなった。しかし、「仮装」が本来「今は昔」の延長線上にあったせいか、その後も担任が「主役」もしくは「その他大勢」の一員を演じていたHRが多かった。私が担任をもった最後の年の「仮装行列」のテーマは「夢」で、人の一生即ち一場の夢というシナリオのなかで、私は幼稚園児に扮し三輪車をこいで登場し、多いに笑われたのを思い出す。まことにもって東高の20年間は、楽しい「夢」の時代だったと云うべきか、しかしいまの私にとって、すべては「今は昔」となりました。
静岡東高旧職員 寺部昭夫 (文責:永野達弘)